アロマオイルの安全性についての話
日本国内でのアロマの普及
ストレス社会の進展による癒しブーム、健康志向の上昇により、アロマの認知度も上がり、
販売市場も拡大され市場は伸び続けています。
また、厚生労働省により義務化された企業で働く社員への「ストレスチェック制度」。
これにより社員達のストレスに対するケアは、企業側としての課題となり、
アロマによるリラクゼーションやストレスケアなどが更に着目されるようになりました。
そこで、アロマオイルの安全性についての話をお話したいと思います。
安全な精油って?
近年のアロマや香りへの関心の高まりにより、アロマテラピー関連の製品やサービスだけでなく、
精油を配合した、化粧品や芳香剤、柔軟剤などの日用品の商品が開発されたり、
香りのある快適な空間づくりの提案、アロマサロンや医療現場での代替医療など、
美容や健康に役立てるための様々な導入がなされており、需要は拡大してきています。
また、これらの製品やサービスを含めたアロマテラピーの2011年の市場規模は2,654億円とされていて、更に拡大傾向にあります。(日本アロマ環境協会推計)
世界的に見ると、以下のような報告があります。
世界のアロマテラピーの市場は、精油の治療効果に対する消費者の意識の高まりに起因して大幅な成長が期待されている。 米リサーチ会社 Grand View Researchは、アロマテラピーの世界市場は2025年までに23億5000万ドルに達するという予測を9月7日、 発表した。
同社の有料レポート「Aromatherapy Market Analysis By Product (Essential Oils, Carrier Oils, Equipment),
By Mode of Delivery (Topical, Aerial, Direct Inhalation), By Application, And Segment Forecasts, 2014 – 2025」によれば、
予測期間中、9.3%の年平均成長率(CAGR)で右肩上がりに市場が拡大すると予測されている。
アロマテラピーは、多くの障害を治療するために使用される代替医療療法として消費者の需要が増えている。
医療用途には、疼痛管理、皮膚関連の問題、心臓血管障害、消化障害、風邪予防、呼吸障害、免疫系機能、
不眠症などの治療が含まれる。近年、火傷による痛み緩和治療への取り組みが注目されているという。
地域別に分析すると、北米市場が市場を牽引して多種多様なアロマテラピー製品の普及により市場の成長を支えると予測。
doTERRA International、Young Living Essential Oils、Frontier Natural Products Co-opなどアロマテラピーの分野で
幅広い製品ポートフォリオを持つ企業は米国に拠点を置いている。
欧州でのエッセンシャルオイルの輸入と輸出の増加は、この地域の代替医薬品療法としてのアロマテラピーに対する
消費者の意識を改革したと分析されている。 消費者の可処分所得と購買力により、ディフューザの需要を押し上げている。
アジア太平洋地域では、インドの火傷事故の増加により予測期間中に最も高い成長率を記録すると予測されている。
火傷の治療に有効なキャリアオイルの需要が高まっている。
さらに、中国と日本でのエッセンシャルオイルの貿易の伸びが期待されている。
参考文献:美容経済新聞(2017/9/8)
- 国内で売られている精油
それでは、現在国内で販売されている精油の「安全性」ってどうなんでしょうか?
アロマオイルの安全性について、心配はありませんか?
実は、国内での精油の取扱いは、なんと雑貨に分類されています。
雑貨の場合、化粧品や医薬品などとは異なり(化粧品や医薬品も全ての表記義務はない)
精油は、含まれている成分を全て表記する義務はありません。
精油に合成成分が混ざっていても、天然の精油成分100%でなくても表記する義務がないのです。
また、精油【そのもの】の成分100%でなかった場合、例えば、精油と植物油との混合物であった場合でも「天然100%」と表記が出来てしまいます。
その為、現在国内では偽和物が大変多く出回っているといわれています。
少しの原料に安価な精油や合成香料を加えたり、上記のように植物油を混ぜたりなどしてコストを減らし、生産量を上げています。
また、精油【そのもの】の成分100%であったとしても、溶剤抽出法、いわゆる合成薬剤を使用して抽出された精油は、
安価になりますが、品質は格段に下がります。
合成の薬品が混ざりますので薬理作用もなくなります。
例えば、女性に人気のローズ。 ローズ精油は、ダマスクローズが代表的な品種の1つです。学名Rosa damascema 水蒸気蒸留で採られたオイルをローズ・オットーと呼ばれます。 溶剤抽出で採られたオイルはローズ・アブソリュートと呼ばれ、香りも異なります。 ローズ・オットーは約13℃以下で固まる性質があります。 ここからはローズ・オットーの話になります。 1滴(0.05ml)の精油を採る為に、100個の花が必要です。5mlの精油では10000個の花が必要となります。 また、ローズの収穫に必要な作業は機械ではなく全てが手作業となります。 作業に手間がかかり、時間もかかります。 更に、ローズの収穫時期は1年に一度と限られています。 生産に関わるコスト、限定された原料などから希少価値が大変高く、その為高価なものとなります。 適正な市場価格にして、1mlで5,000円~10,000円になります。 それ以下で販売されているものは、希釈(薄める)したり、香料や合成されているものと判断して良いでしょう。 溶剤抽出で採られた、ローズ・アブソリュートは、大量に採れますので安価に出回っています。 香りも異なります。 溶剤=合成薬剤が使用されています。 また、ローズが持っている、皮膚抗菌作用、鎮痛作用、抗不安などの薬理作用もありません。 おススメできない精油ですが、日本国内で圧倒的に出回っている、ローズ精油はこちらのものになります。 どちらも、「ローズ」「天然精油」「100%」と表記されても問題がないのが現在の日本です。 アロマオイルの安全性についての補償は担保されていません。 |
- 安全な精油とは
それでは、どうやって安全な精油を手に入れればいいのでしょうか?
安いものだから。と手にせずに販売店やメーカーの経営理念、製造元、精油に関する情報がどの程度開示されているか。そのような情報を見てみると良いかと思います。
更には、成分分析表が発行されている精油は、安全性、信憑性の観点からも大変有効です。
フランスなどの精油先進国では、安全と呼ばれる精油には必ず成分分析表が発行されています。
では、成分分析表っていったいどんなものなのでしょうか?
当店で取扱いのある精油には全てにこの成分分析表がついています。
ここには、メーカーが発行し証明された以下の内容の記載があります。
・精油の原料となる植物の生産国
・精油の抽出方法
・ロット番号(又はバッチ番号)
・精油香り、見た目の色
・精油に含まれる成分(パーセント表記)
(例:ローズ・オットーの場合、シトロネール○○%、ゲラニオール○○%、ネイビーロール○○%、ノナデカン○○%、ヘンエイコサン○○%等)
・精油に含まれる成分によるアレルギーについて
等が表記されています。
精油は、香りを楽しむ芳香浴だけでなく、その精油が本来持っている成分による、リラックスや元気をもたらすなどの交感神経の作用、
また、抗菌・抗真菌作用や、かゆみを止めたり炎症を抑える作用、虫除けなどの昆虫忌避作用、
皮膚トラブル対処など様々な薬理作用があります。
でも、合成のものはそのような作用がないだけでなく、安全を脅かす可能性もあるわけです。
ですから、折角アロマテラピーを楽しむなら、出来るだけ安全なものを自分の目で確かめて、使用する事をおススメします。
そして、アロマテラピーにより心身の健康が促進され、アロマを楽しんでいただきたいな。と思います。
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