ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果

目次

精油の抗菌効果

 

研究によりティートリーとラベンダーに高い抗菌効果があることがわかりました

ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果

ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果

antibacterial effect
精油の抗菌効果についての検証により、ティートリーは、大腸菌・表皮ブドウ球菌に対して抗菌効果を示しました。
  • 精油の抗菌効果についての検証
使用した精油: 精油ティートリー(常緑植物ティートリーmelaleuca alternifolia)
精油ラベンダー(ラベンダー属lavandula)
精油ローズマリー(常緑性低木ローズマリー rosmarinusofficinalis)
④レモンcitrus limonum
その他:効果の負の対照実験として、ホホバオイルsimmondsia chinensis
対象細菌 : 大腸菌(escherichia coli, jm109,シグマ- アルドリッチ社)
表皮ブドウ球菌staphylococcus epidermidis
黄色ブドウ球菌staphylococcus aureus
(ブドウ球菌は、健常者の表皮より採取使用)
実験方法: 「阻止円」を形成させる方法(細菌学でよく用いられている)

1.各種細菌を専用寒天培地上に一面にまく

2.その上に精油20μl ずつ染みこませた円形(直径8mm)のろ紙をのせる(図1)※1

3.阻止円の形成 2.の、ろ紙を乗せた「寒天培地」を37℃で18時間培養する

4.抗菌効果の測定

【阻止円の直径】-(マイナス)【ろ紙の大きさを】を算出し、比較(図2)※2


ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果
結果:抗菌効果を示したもの
●大腸菌 
ティートリー

●表皮ブドウ球菌
ティートリー
ラベンダー(表2,図6図7)

●黄色ブドウ球菌
ティートリー
ラベンダー
(表3,図8矢印,図9矢印 【表皮ブドウ球菌】の場合と比べてかなり弱い)
抗生物質の阻止円の大きさと比較して同程度の抗菌効果を示すという結果が得られた

結果:抗菌効果を示した製油
1.ティートリー

検討した精油の中でティートリーだけが、
【大腸菌】
【表皮ブドウ球菌】
【黄色ブドウ球菌】
の全ての細菌に対して得られた((表1や図3-図5 表2,図6,図8)
【黄色ブドウ球菌】に対する抗菌効果は【表皮ブドウ球菌】と比べると,大きいものではなかった


2.ラベンダー

【表皮ブドウ球菌】
【黄色ブドウ球菌】
に抗菌効果を示した(表1,表2,図4,図7,図9)
【黄色ブドウ球菌】に対しては有意な抗菌効果は示さなかった。


ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果 ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果
結果:精油の抗菌効果の種類
精油には、細菌の種類により抗菌効果が異なることがわかった。
(細菌種特異性/近縁細菌種間で抗菌効果の違いがある)
すべての精油が抗菌効果をもってはいない、
抗菌効果をもつ精油には、細菌の種類によって効果が異なることが明らかとなった(表1,表2,表3)

精油を組み合わせることで、効率的な抗菌効果を上げることができると推察している。
ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果 ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果
ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果

結果:精油の抗菌効果の強さ
ティートリーの大腸菌の抗菌効果はkmやabpcの抗生物質より小さかった。
その原因について現時点で考えられることは,
ティートリーの「寒天培地」のなかへの浸透速度、浸透後の拡散速度などが抗生物質よりも遅いことが考えられる。




結果:その他 抗菌消毒薬の代用として
リードル(1997)は、ティートリーオイルの抗菌効果は微生物の細胞壁や膜の構造に損傷を与えもしくは細胞構成タンパク質成分の変性をもたらすことによると述べている。

精油を抗菌消毒薬の代用として利用する際、人体に対しての反応やその影響も十分にありうるため慎重に解析方法等を考えていかければならない。(※3)
また,エタノールによる抗菌効果は、70%エタノールが最適濃度であり100%エタノールよりもその抗菌効果が高いことはよく知られている(※4芋川,小関,2007)
このことからも、ティートリーラベンダーにおいても抗菌効果を示す最適濃度や抗菌効果を示しうる最低濃度などについても解析していくことは重要であろう。


結果:その他 抗菌効果に注目しているもう一つの理由
精油には「薬剤耐性細菌」が出現しにくいと言われている(※5 carson, hammer,riley,2006)
細菌に感染した時の抗菌や、感染予防という点で、多くの薬剤、特に抗生物質が臨床で頻繁に利用されているが抗生物質の頻用は新たな「薬剤耐性細菌」を生み、「多剤耐性細菌」の発生という危険性を生む。

それに対し、ティートリーなどは、抗生物質と同じように抗菌効果をもつにもかかわらず「薬剤耐性細菌」が出現しにくいと言われている(※5 carson, hammer, riley,2006)
さらに、ティートリーは抗菌効果が高く、免疫力を高めると述べている。(※6 安斎(2003))
これらが事実であるならば、細菌感染時の抗菌や感染予防という点でのティートリーをはじめとした精油の重要性は極めて高くなると思われる。

(※1) 阻止円形成とその大きさの比較対照実験としてカナマイシン(km)とアンピシリン(abpc)(いづれも抗生物質)の染み込んだろ紙を使用した(図1,図2))
(※2) 対象細菌と対象精油の組み合わせごとに3回ずつの実験をおこなった
実験の都合上、3回の実験を同一日時でできなかった場合もあったが、細菌の培養などは液体培地の場合も寒天培地の場合もすべて恒温器内で培養しているた め,実験条件はすべて同じであると考えられる
(※3)中島千春,宇野涼子,由雄緩子,梅野有希,山内紀美,増山路子.(2003).アロマオイルを利用した心電図用電極交換時の保清方法の有効性.日本看護学会論文集(看護総合),34,6-8. 文 (※4) 芋川浩,小関尚子.(2007).エタノール綿を用いた塗擦消毒効果の検討.expert nurse,24,96-99.
(※5) carson, c.f., hammer, k.a., riley, t.v. (2006). melaleuca alternifolia (tea tree) oil: a review of antimicrobial and other medicinal properties. clinical microbiology review, 19, 50-62.
(※6) 安斎康寛.(2003).のんびり癒し時間リンパマッサージ&アロマテラピー.東京:高橋書店.
参)福岡県立大学看護学研究紀要 11 (2), 63-70,2014 fpu journal of nursing research 11 (2), 63-70,2014 精油(ティートリーとラベンダー)の抗菌効果の検討 その1 芋川 浩*,今浪愛里**an investigation into the potential of essential oils (tea tree and lavender) to act as disinfectants, part1 yutaka imokawa,airi imanami
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