SAFETY OF ESSENTIAL OILS
精油を配合した、化粧品や芳香剤、柔軟剤などの日用品の商品が開発されたり、
香りのある快適な空間づくりの提案、アロマサロンや医療現場での代替医療など、
美容や健康に役立てるための様々な導入がなされており、需要は拡大してきています。
また、これらの製品やサービスを含めたアロマテラピーの2011年の市場規模は2,654億円とされていて、更に拡大傾向にあります。(日本アロマ環境協会推計)
では、最近あちこちで売られている、精油。アロマ関連製品。安全性ってどうなの??
価格もピンからキリまで。香りも微妙に違う。
そんな疑問をお感じの方へ。
アロマオイルの安全性についての話をお話したいと思います。
thanks to AROMA DIFFUSER,decrease the fever
この、天然の香りを空中に拡散させる機能を持つアロマディフューザーの効果検証が行なわれました。
この検証により、「風邪による発熱」が減少する事がわかりました。
また、「黄色ブドウ球菌」と言われる菌が早期撲滅される結果が得られました。
風邪の原因としては、「ウイルス」が上げられ、約200種類ものウイルスによって風邪が誘発されると言われています。
多くの精油には、ウイルスの生育を阻害する働きが確認されており、H1N1菌株(培養)と精油に関する研究によってもわかっています。
RELAX AND AROMA
アロマオイルとリラックス
アロマオイルの香りを嗅ぐことは中枢神経系を刺激あるいはリラックスさせる作用があります。
哺乳類の嗅神経細胞には約1,000種類の香りに対応する受容体が存在します。
アロマオイルの匂いを鼻から嗅いだ香りの情報は大脳辺縁系に達します。
大脳辺縁系は学習・記憶、情動と密接に関連している部位です。
香り情報はさらに視床下部に伝えられ、種類によって交感神経系あるいは副交感神経系に直接作用します。
自律神経系は交感神経系と副交感神経系から成っています。
交感神経系はストレスまたは緊張状態に備えるような働きをし副交感神経系はリラックスした状態で働きます。
アロマオイルの香りを嗅ぐことは中枢神経系を刺激あるいはリラックスさせる作用があります。
また、アロマオイルの香り情報は内分泌系を介してストレスや、免疫能に影響を与えたりします。
アロマオイルの香りは自律神経系、内分泌系、免疫系などにも作用、調整する事がわかっています。
STRESS AND AROMA
アロマオイルとストレス軽減
アロマオイルの中に抗不安作用、鎮静作用、抗うつ作用などのストレス緩和を有するものがあることが明らかになってきました。
ストレスが高じて海馬が委縮した状態に至るのがうつ病です。
最近、ラベンダーの香りは抗うつ・抗不安作用を有することが行動科学的解析に示されています。
またアロマオイルの影響を調べたところ、ラベンダーやヒノキの香りが脳内の神経栄養因子受容体(NGFR)遺伝子を増加させることが分かりました。
アロマオイルに含まれているα-ピネンの香りを嗅いだマウスの海馬では、神経栄養因子(BDNF)の遺伝子レベルが上昇しました。
NGFRやBDNFは、神経の成長・維持に重要な役割を持っています。
ストレスによって低下するため神経細胞死が起きるといわれています。
アロマオイルの香りによるストレス抑制効果は、実際に脳内因子を変化させることによるものであることが分かってきました。
DEMENTIA AND AROMA
認知症予防とアロマケア
認知症研究の第一人者、鳥取大学医学部教授の浦上克哉教授によると、アルツハイマー型認知症では最初に嗅覚が低下し、いいにおいといやなにおいの区別がつきにくくなります。
この事実は、30年前に偶然から発見されました。
当時、教授が認知症の患者さんの調査のために家庭訪問を行ったところ、お菓子を出してくれました。ところが、そのお饅頭からは異臭がします。
丁重にお願いし冷蔵庫を見せて頂いた所、傷んだ食品が大量にありました。
その後、認知症の患者さんに嗅覚機能のテストを行なったところ、もの忘れが始まるよりも前に嗅覚の機能が衰え始めていることが証明されました。
嗅覚の細胞は、脳の神経細胞の中でも数少ない、破壊されても再生することのできる細胞です。
嗅神経をうまく刺激すれば、認知症を改善したり、予防したりできるのではないか?
と考えた浦上教授は試行錯誤の末に、香りによって嗅覚を刺激する療法、アロマテラピーにたどり着いたとの事です。
Arousal effect OF AROMA
アロマオイルの覚醒作用
大学で行なわれた実験では、レモンの香りのある実験室とレモンの香りのない実験室で、単純な加算作業の成績、生理的変化、気分変化を調べました。
実験の結果、レモンの香りは疲労を軽減させ、活力低下を予防することが示唆される事がわかりました。
また、居眠り運転防止の研究の一環として、アロマオイルの香りでの覚醒効果を調べるための実験を行った所、ペパーミントでの覚醒作用が認められたと報告されています。
引用文献:香りの覚醒効果に関する生理心理学的研究 賀 繁・増田貴之(立教大学)
Antibacterial Effect
ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果
精油には、細菌の種類により抗菌効果が異なることがわかり、精油を組み合わせることで、効率的な抗菌効果を上げることができると示されました。
精油を空気中に拡散させる事により、空気中に漂う菌を抑える事が出来ることが示されています。
引用文献:福岡県立大学看護学研究紀要 11 (2), 63-70,2014 FPU Journal of Nursing Research 11 (2), 63-70,2014 精油(ティートリーとラベンダー)の抗菌効果の検討 その1 芋川 浩*,今浪愛里**An investigation into the potential of essential oils (tea tree and lavender) to act as disinfectants, part1 Yutaka IMOKAWA,Airi IMANAMI
Arousal effect OF AROMA
精油による空気浄化&改善
Arthralgia effect OF AROMA
アロマが関節痛に有効
海外の治験で、関節痛の緩和にアロマテラピーの有効性が確認されました。
乳房生検手術患者の治療に使用される鎮痛薬の量を減らすことを目的とした実験で、
ラベンダー精油の有効性に関する調査の為に痛みのコントロール度の実験調査を行ないました。
乳房生検手術患者25人の被験者が酸素マスクを着用し、ラベンダーオイルなしでの酸素マスク着用と、
ラベンダー精油をマスクの中に2%濃度含んだものを着用したものとで、2つのグループに分け60分吸入を行ないました。
その後、痛みのレベルを評価した所、ラベンダーの吸入グループは痛みが減少する作用があった事がデータで証明されました。
この結果により、アロマオイルによって、鎮痛剤の使用を減らす事が可能となる事を示したとの事です。
引用:JMED研究会(アメリカ)
insomnia effect OF AROMA
アロマオイルの不眠症作用
21世紀は日本人の5人に1人、21.4%は不眠症といわれます(厚生労働省調べ)現代病の1つとなっていますが、不眠症に対するアロマテラピー療法があります。
神経性不眠症(不眠を避けようと過度の不安や恐怖によってさらに眠れない)に対する非薬物療法としてアロマテラピーが位置付けられています。
また、身体疾患による不眠症(呼吸器系、心血管系、消化器系、筋骨格系疾患の一症状)の場合
例えば、就寝前に筋骨格系の痛みやしびれで眠れない時は、対処療法として精油を患部へマッサージする事でアロマの作用が得られます。
気分障害(うつ病)や不安障害(パニック障害、心的外傷後ストレス障害)を伴う睡眠障害の場合は専門家の指導の元行なう事が大前提となります。
これらを包括した治療計画こそが、西洋医学を補完代替するアロマテラピーの位置付けとなっています
BRAIN AND AROMA
アロマオイルと脳
大脳辺縁系とアロマテラピー
- アロマテラピーは、大脳辺縁系の特徴を有効に活用して行う、癒しの方法。
- 精油のにおいを嗅ぐ→嗅覚から大脳辺縁系→視床下部
- ⇒自律神経を整え、身体の機能を調整するという自然療法
- 心地よい香り→嗅覚から大脳辺縁系
- ⇒過去の楽しい記憶と結びついたり、気分に作用等の心理的効果
血液循環による経路
EFFECT OF ESSENTIAL OIL
精油の作用
精油には、植物が持つ多くの薬理作用があります。古来より現代に至るまで、西洋東洋問わず、植物なしでの医学の発展はあり得ませんでした。それは現在も変わっていません。
下記はほんの一例です。植物の種類により作用は様々です。
芳香成分類 | 作用 | 説明 |
---|---|---|
セスキテルペンアルコール類 ジテルペンアルコール類等 | 強壮作用 | 体の各部や全身を活性、強化 |
ジテルペンアルコール類等 | ホルモン調節作用 | ホルモン分泌の調整 |
モノテルペンアルコール類等 | 免疫調整作用 | 免疫の働きを調整し、活性化する |
モノテルペンアルコール類等 | 収れん作用/保湿作用/エモリエント作用 | 皮膚の引き締め/水分を保つ/皮膚を柔 |
フェノール類、芳香族アルデヒド類等 | 殺菌・抗菌・抗ウイルス作用 | 細菌/カビ/菌/ウイルスの繁殖を抑える |
エステル類等 | 鎮痛作用/鎮静作用 | 神経系の鎮静/痛みを和らげる/リラックス |
フェノールメチルエーテル類等 | 鎮痙作用 | 筋肉の緊張を緩めめる |
テルペン系アルデヒド類等 | 昆虫忌避作用 | 虫除け/近づけない作用 |
MENTALITY AND AROMA
精油が心身に作用する経路
- においを嗅ぐと精油成分を鼻の奥の嗅細胞がキャッチし
- 電気的信号で大脳へ伝達する。
- 大脳で「におい」として認識すると同時に、生理機能をコントロールし、身体調節をする。
アロマオイルの安全性についての話
アロマディフューザーによる病気に対する作用
アルツハイマー病患者へのアロマテラピーの有用性
レモンとペパーミントの香りによる覚醒作用
ティートリーとラベンダー精油の抗菌効果
ラベンダーの香りと効果
精油による空気浄化&改善
精油リスト